But if you look twice, You can see it’s all lies

漫画やドラマその他の感想など自分考察用メモ。すごいネタバレします。

日本のいちばん長い日を観た。

いつの間に半年も更新をしていなかったけど、突然何を書きにくるのかと思ったら映画の話をしたくてきました。漫画のことも書ける気がするし保存をしてある記事もあるんだけど、結局仕上がってないのでこっち先に書くよ☆ 例によってめちゃくちゃネタバレします。

今日、公開前から楽しみにしていた『日本のいちばん長い日』という映画をみてきました。70年前の8月15日に終わった太平洋戦争を終わらせるための昭和天皇玉音放送のラジオ放送までの一日、日本の政治と軍がどのようにあったのかを描いている作品です。

nihon-ichi.jp

もともと戦争映画を観るのは好きで、明治から終戦までの近代の歴史にとても興味を持っているので予告を観たときすぐに観たいと思いました。よくある戦争を描写している映画の中でも珍しいと思う為政者の視点からの作品であり、国際政治を学んでいる私は内容を調べてからなお公開を楽しみに待っていました。今は私の政治思想などを敢えて書かず、純粋に私が思ったことを淡々とかきます。※映画にでてくる台詞はすべてニュアンスであり正しくありません※

 

物語は1945年4月、鈴木貫太郎天皇陛下から内閣総理大臣に任命されるところからはじまります。天皇に謁見する前の描写で鈴木は「とんでもない」と拒否しており、御前でも「軍人が政治に関与することはよろしくないと明治天皇に教わった」と昭和天皇に話しています。それでも昭和天皇に「このときに頼めるのは鈴木だけだから頼む」といわれ総理大臣になることを承諾し、鈴木内閣が発足します。東条英機の「海軍出身者が首相になることは陸軍から反対が起こる」という発言や、鈴木からの要請で阿南陸相をだす際の陸軍内からの「快諾はよろしくない、陸主海充を条件に加えるべき」などの発言から陸海軍の不仲もとい軍の暴走からなる戦争の泥沼化がうかがえて、日本史で習ったこととの答え合わせにもなったような気がします。

映画では鈴木内閣は最初から和平への道を進んでいるのがはっきりわかるのですが、それを望んでいない陸軍との衝突がもうひとつの物語として話が進んでいきます。ポツダム宣言がだされたときのたった一語の「subject to」の解釈から、和平か継戦かの決断が割れるところは滑稽ながらも国体護持のためにすべての人間が働いている姿は日本の帝国主義の賜物であり、伝えられていた戦前日本の姿がありました。天皇陛下が上に立つ大日本帝国下で皇室の護持は第一に考えなければならない問題であり、その陛下ご自身もご自分の犠牲よりも国民のことを第一に考えていた描写は印象的で、これこそ日本人としての性質でありそのときそこに居た人全員が自分の国と民族を守る為に動きその明るい未来を信じていたことに何とも言えないけれどもただ尊いものでした。終戦に向かう激動の中のあるワンシーンで阿南陸相が「日本人は勤勉だよ、この国はきっと復興する」と述べていたことにも現れていると思います。

この国が彼らの願っていたような日本になったかどうかは私にはわかりません。あれから日本を主とする戦争をしていませんし、平和が確立され世界の中でも先進国と言われる国になるまでに復興しました。ただその中で、あの時代にいた人たちのように国のことを考え誇りを持ち生きているひとがどのくらいいるのか考えるにも及ばないと私は思います。たしかに当時も国民の大半はどう思っていたかなんて検討もつかないし、政治家・軍人の思想とはかけ離れたとこにいたのかもしれません。あの頃とは世界の情勢も日本の状況もまったく異なるし、それはまぬがれないのかもしれません。ただこの映画を見て改めて自分の国に対して様々なことを考えたいと思ったしポツダム宣言受諾を決意した日本の政治についてまだ学びたいと思ったので、これについてまだまだ色々書くかもしれないです。

最後に、私はこの映画が戦争に対する何かを訴えているとは思いませんでした。ただ淡々と事実をならべていたからこそなお、それについてそして母国について考えさせられるものだと思いました。太平洋戦争をはじめたことそれ以前の日本の行動の様々が愚かであったとしても、それのために戦い動いたすべての人に敬意を払い彼らを誇りに思います。

 映画でいちばん笑えるポイントは、突然出てくる松山ケンイチです。